鬼守の巫女
「……剣が……」
魏戎の手にしている剣は今は一振りの刀に姿を変え、そして美しい七色の光を放っている。
『……何故だ!!何故だ……柳!!』
その眩い光に魏罫は取り乱したように、愛しい者の名を叫ぶ。
《……共に行きましょう……魏罫》
私の口からその声が漏れ、そして次の瞬間……愛しい彼の香りがした。
「……赦せ。魏罫」
その魏戎の呟きと共に、刀が魏罫の心臓を貫いた。
すると辺りがまた眩い光に覆われ、そして何も見えなくなる。
その圧倒的な白い世界の中……微かに誰かの声が聞こえた。