恋の旋律
最初で最後のデート
♪由菜♪
「二人でデートしよう!」
広季が突然言い出したのは夏休み後半。
「え…?」
「今度は、二人で行こうよ!」
あの渋川の家に泊まった日の後にwデートをしたのだ。
「だから、ね?」
広季は頭が良いから気付いてるんだな。
うちが落ち込んでること。
「行くよ!!」
うちは精一杯元気にふるまった。
パァン!
「ん?田渕調子悪いな
総体は県優勝したのに」
先生が言う。
「スランプですかね?((笑」
うちははぐらかしておいた。
スランプなんかじゃないし…。
「田渕、なにあんな調子悪いんだ?この俺様を苦戦させたようなやつが」
渋川もうちの元気の無さに気付いていた。
「なんか、あったんじゃないかな?」
広季はうちを見つめながら言った。
全部、聞こえてるし。
うちは水筒を取りに荷物置場へ行った。