恋の旋律



とにかく、たくさん遊んだ。



プリクラも撮って...。



楽しい時間はあっという間に過ぎた。



「じゃあ…明日の部活でな…」


広季の声が震えていた。



「っ……クソッ泣かねぇって決めたのに…」


広季は、止まらない涙を拭っていた。



うちは、広季の涙を拭い、唇を重ねた。



「……っ」


広季は驚きを隠せなかったらしく、目を見開いていた。



そういえば、ちゃんと自分からキスしたのは初めてかな…?

いや、和斗たちの事件でもあったかな…?



今までの思い出が走馬灯のように頭を流れた。


ようやく唇を離した。


とまた広季が唇を重ねてきた。



「こんな顔、見せらんねぇよ…」


広季は顔を隠すために、何度もキスしてきた。



きっと、今、離れた時の分のキスをしてるのかな…?



うちは苦しくなった。




うちと広季を分かつときが刻一刻と迫っているのを痛いほど感じながら。




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