恋の旋律



「………忘れないからな、お前を」


広季はフと言った。



「うん、うちも忘れないから、てか、広季彼女つくったら許さないからね」


「お前こそ彼氏つくんなよ?」



たくさん約束した。



分かれ道。



「……由菜」



広季はうちを抱きしめた。


「大好き…てか、あっ…

愛してるッ」


広季は照れながら言ってくれた。


「うちも、広季が大好き…愛してる」



中学生にしちゃ大袈裟な言い方。



でも、そう言わないと
離れてしまいそうで。



唇を何度も重ねた。


唇を離すと、苦しくなってまた重ねる。



「………じゃあな…

あ、これ、あっちで聞けよ?」



広季はまたうちにキスして、走っていってしまった。



渡されたのはCDだった。




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