恋の旋律
CDと一緒に手紙も入っていたが、それはCDを聞いてから読んでと書かれていた。
イヤホンを耳に付け、再生した。
ピアノの伴奏が流れる。きっと広季だな。
そういや、広季を知ったのは合唱コンクールで
綺麗な伴奏に聞き惚れたからだった。
もし転校しなければ広季の伴奏をたくさん聞けたのに。
広季の伴奏で歌えたのに。
涙が止まらなくなった。
『大好き』
歌詞が始まった。
広季の歌声。
『大好きだよ、由菜
たくさん笑い合った
たくさん話し合った
そして、たくさんの思い出が出来た
君のおかげで俺の心は君色に染まったよ
ほかの色に染まることは無い
揺るがないよ
いつまでも大好きだよ
早く、帰ってきてよ
俺はいつまでも待ってるから』
広季………。
『楽しかったよ』
低いバスって感じ。
渋川だ。
『お前を好きだった頃
苦しくも楽しくて
お前と話したあの頃
明るくて、楽しくて
もう中学生の俺達で笑い合えないけど
大人になった俺達でもう一度笑い合おう
俺達はいつでもお前の心に居るから
ここで待ってるから』
渋川………。
『会えてよかった』
高くて可愛い声。
美咲だ。
『あなたに会えて嬉しかった、楽しかったあの日々
たくさん話したね
たくさん笑ったね
いい思い出がたくさん出来たよ
由菜ちゃんのおかげで
何度助けられたか
何度幸せを感じれたか
計り知れないよ
離れたくないけど、うちはここでずっと由菜ちゃんを待ってる
きっと帰ってきてよ、由菜ちゃん』
美咲…………。