恋の旋律
最初は手縫いのおさらい。
(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ)
心がそうずっと呟いてる。うちはイライラしながら雑に縫っていた。
「はぁ!」
まずフツーに並縫いが終わり、ひとまず息をつく。
「はっやー…」
渋川はまだ半分も終わってない。
しかも縫い目が汚い。
「そうかな、雑にやったから汚い…」
と言いかけたところに高梨が
「うわっ嫌み?そんな早くて綺麗に縫ってあるのに」
と顔をしかめて言った。
「俺なんて針に糸を通すことすら危ういんだぞ♪」
渋川は胸を張って言った。
((自慢する事じゃねー!!ι))
うちと高梨は同時にそう思った。
「いやさぁ…俺ってすげぇ不器用なんだよなぁ」
「顔が不器用そうな顔してるしね」
うちは嫌みたっぷりに言った。
が
「どこが!!?この俺の顔のどこが不器用そうなんだよ??」
と真に受けているι
「あーと...まつり縫いしなきゃ~」
「はぐらかした!」
これ以上話すとあっちのペースに巻き込まれる!
(早くやって寝てやる!!)
うちはかなり集中して縫っていた。