恋の旋律
♪広季♪
「っあー!イライラするっ!広季っ針に糸通して!」
渋川は頭をガシガシと掻きながら俺に針と糸を突き付けた。
「俺も苦手だから無理だし!あっなら糸通し使えば?便利…」
俺らは何気に田渕を見ながら話してたから、田渕を見て絶句した。
針にスッと糸が通る。
クルクルとあっという間に玉結びまで完成。
「「……。」」
俺らは呆然としてたが、しばらくして渋川が口を開いた。
「田渕!針に糸通して~」
「えー」
しばらく言い合いしてたが、やっぱ田渕は世話好きで優しいな。
やってあげていた。
渋川の手と田渕の手が触れたのが少しムッとしたけど...
手慣れた手つきで針と糸を操る田渕の姿を見てそんな気持ちはどっかいった。