恋の旋律



♪空人♪



部活。


「やぁー!」


スマッシュ完璧☆


「渋川のスマッシュ取れねぇ!」


広季が卓球台の上でうなだれる。


「俺、天才☆いだっ!」


キメたとこで頭に何か当たった。



「渋川ー!ごめーん!うちのスマッシュ当たったぁ!」


田渕が後ろの台で叫ぶ。


(どんだけ強いスマッシュ打ってんだよι)


田渕は途中入部のくせに今や女子卓球部のトップらしい。


「さすが由菜♪」


俺の後ろじゃ反省の色が全く見えない田渕が居るし、前じゃ広季が惚気てるしよι


(なんなんだよι)



「広季ぃ顔がにやけてヤバいよ~田渕に嫌われるかも!」


「ウソッ…!これでどうだぁ☆」

キランといわんばかりに決めポーズ☆



「ブハッバカっ面いって!」


また頭にボールが!!


「ごめん渋川ιなんか当たるんだよね~ベスポジ?ここ」


田渕がアハハと笑いながら来た。


「おまっわざとか?」


「違うっての!本気でやって当たっちゃうの!だから謝ってんの!
渋川なんかにわざと当てません~~~~」


「うっぜー!殴るぞ!」


「殴れないくせに☆」


「てんめっ…いった!」


俺は次は先生に頭を叩かれた。


「人の彼女に手ェ出してないでやる!」


「石川までも知ってんのかよιすげぇな!田渕」


「いやうちはすごくないι」


田渕はそう言ってボールを拾いながら台へ戻った。




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