恋の旋律
次の日。
朝、一応待ち合わせ場所に行った。
そこに居たのは由菜じゃなくて池野だった。
「おはよっ広季くん」
「…」
俺は無視して、きっと由菜は来ないなと思い学校に向かおうとした。
池野が背中に抱き着いてきた。
「キスして?」
「やだよ」
俺は池野を振り払おうとした。
「してよ?」
池野はナイフを持っていた。
明らかに前々から予想していた展開、といわんばかりの顔をしていた。
「なにそのナイフ」
「してくんなきゃ殺すよ?」
「やれねぇくせに」
フッと鼻で笑った瞬間、目の前に血が飛び散り、胸に鈍い痛みが走った。
「殺せるよ?だからナイフ持ってんのよ」
意識が遠くなる。
「広季!」
遠くで由菜が呼んでる気がする。
俺は、死ぬのか……?
「っあ!」
ピピピ…
「夢…か」
ビビった。まさかホントに殺されるなんて……。
一応待ち合わせ場所に行った。
まさかの夢と同じ、池野が居た。
今回は影に隠れ、慎重にいく。
そこに由菜が来た。