恋の旋律



二人は名門の私立中学の受験に合格した。


和斗はすごく優秀なのに対し池野は最下位を独占している状態だったらしい。



「何…やってるの?」


今度こそ由菜が来た。



「由菜ちゃん…ごめん
最初は小さい悪戯からだったんだけど…」


和斗は出来るだけ自分に非がないというような説明をした。


「あっそ
いつの間にあんな優しかった和斗くんが居なくなったのよっ!」


由菜は力一杯和斗の鳩尾を殴った。


「あ゙うっ…」



和斗は倒れ込んだ。


そのついでに池野の腕を力一杯踏み付けていた。



「いっ痛いッ…」


「どれだけ…どれだけうちが…広季が傷付いたと思ってんの!?
いい加減目を覚まして!!」


泣き叫ぶ由菜。


「昨日ずっと悩んでたうちがバカだった

悪戯に振り回されてたなんて!
和斗にとっちゃ全て悪戯だったんだろうけどね、うちにとっちゃ本気で悩む程の事だったんだから!」


「悪戯…だってちょっとお前らをいじりたかっただけなんだ…なのに柑乃が殺すとか言って…

乗ってやったらこのザマ」


「全てうちの責任にする気!?」


池野がガバッと立ち上がったとき何かが落ちた。


「…!大麻…」


俺はそれを拾い上げた。


「柑乃ちゃん…薬使ってたの…?」



「やめて!うちの命綱!」


突然血相を変えて俺から奪った。




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