恋の旋律



あれは四年前。



「渋くん♪」


俺はあの頃、渋くんと呼ばれていた。


まぁ区が違うから今の中学にこのことを知ってる奴は居ない。



「なんだよ…中本」



中本は俺と腐れ縁の奴。


保育園の時代からの幼なじみ。



「次音楽だよ?音楽室行こう?」



「いいよ、一人で行く」


「えぇー行こうよ♪」



「ふざけんなよ」



中本はこんな奴だけど
意外と優しいし、可愛いから意外とモテる。



「ふぅ…仕方ねぇな
この俺様が一緒に言ってやるよ!」


「やった☆」



中本はジャンプして、教科書とかを取りに行った。



「俺も…あれ?」



俺の教科書セットがない。



「渋くん~あるよ!?」


「いっいつの間に…ι」



「ふふ♪行こ?」



ったく…。



音楽室に着いて、みんながニヤァと笑ってこっちを向いた。



「渋くん~中本と付き合ってるだろ?」


「はぁ!?」


小四でこんな会話すんのかよι



「まさかありえねぇよ…」


「中本はどう思ってんの?」


その男子が中本に話を振った。




「えっ……有り得ないから~☆」


中本は焦りながら行った。



「なんだよぉ~」


男子が諦めた。



でも俺は見てしまったんだ。



言った後俯いた中本の顔は赤くなっていた。



(中本…俺のこと…)



俺は複雑な気持ちになった。




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