恋の旋律



放課後。


いつも通り自然と中本と帰っていた。



俺は覚悟を決め、中本に聞いてみた。



「お前さ、俺の事好きだろ」


「えっ…?」


中本は足を止めた。



「どっち?」


「………好きだよ
でも、渋くんは絶対うちに恋愛感情なんて無いだろうし…そんな付き合いたいとか無いから…」



中本は強がって笑ってた。


けど、笑えてなかった。




「……付き合う?」


「え…」



「俺、中本の事、嫌いじゃねぇし…」


「いっいいの…?」


「……あぁ」



俺は軽い気持ちで付き合いはじめた。



小学四年って、男子と女子って対立する年頃だから付き合うなんて珍しい。



だからみんなこの話題に食いついて来る。



「チューしろよぉ☆」


「抱きしめなよ♪」



うっざい…奴ら。



俺どっか冷めてるから友達でもウザいとか思っちまう。


普通か。



ある日。


「なぁ渋…」


俺の友達と話していた。



「なんで中本と付き合ったの?」


「………あいつが俺を好きだったから」


「はぃ?お前はどう思ってんの?」


「別…どうでもいいっつーか、遊びみたいな?((笑」


「最低だなぁったく((笑」


と笑ってたら。



バサバサ。



「…!中本」


俺はハッとした。


「渋くん…酷いよ、弄んでたの?」


「ちょっ…待てよ」


「いやっ!」



中本は走って行った。



俺は追いかけた。




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