遠距離恋愛
俺の腕の中でまだ泣き続ける里菜
ああ...
俺、こんなにも里菜に辛く寂しい思いさせてたんだな
涙を流す里菜を見て胸がズキッと痛んだ
「里菜...泣くなよ」
それでも里菜は泣き止まない
背中に回った里菜の腕がぎゅっときつく俺に抱き着く
「…つ……だよね?」
「えっ?」
「本物の樹だよね?
夢なんかじゃないよね?」
さっきよりも涙を流して必死に言う里菜
「本物に決まってるだろ?」
俺は里菜の頭を優しく撫でる
「っっ――!!
樹樹樹~!!
うぅっ………
会いたかった………
ずっとずっと会いたかったょぉっ」
『会いたい』
それは俺も里菜も我慢していた言葉だった
何度も俺を呼んで抱き着く里菜が愛しくてたまらない
俺だってずっとずっと―……
「里菜に会いたくてたまらなかったよ」
やっと捕まえた
俺は里菜がどこにもいってしまわないように
強く強く細い身体を抱きしめた