遠距離恋愛
「とりあえず、場所移動するか
それから二人でちゃんと話そう」
落ち着いてきた私に樹は優しく言った
「うん」
「――………!!
そういえば、里菜今日の授業まだ残ってるのか?」
「大丈夫
今日はもう終わったよ」
「そっか
じゃあ行こうか」
抱きしめていてくれた樹の腕が離れていった
寂しいな……
ちょっと離れただけで
そんなことを思ってしまうわがままな私
ギュッ
「えっ?」
「ボーッとしてないで行くぞ」
私の少し斜め前を樹が歩く
私の右手は樹の左手としっかりつながれていて
触れ合った部分だけホッコリ温かい
自然と私の顔は笑顔になる
ありがとう、樹
温かいね
これで寂しくないね