遠距離恋愛
「......あのさ」
「ん?」
緊張しているのは私だけじゃなかったみたい
控え目な樹の声がそこにはあった
「昨日....電話するって言ってたのにできなくてごめんな」
.....遅いょ...ばか
いっぱいいっぱい悩んだのに、樹のこの一言で許してしまっている自分がいた
なんか...やっぱり私は樹が好きなんだ
大好きなんだ
「里菜?
怒ってる?」
不安そうな樹の声
なんだか可愛かった
「ううん
樹がちゃんと謝ってくれたから...もう怒ってないよ」
「…………」
そこからまさかの沈黙...
あれ?
「樹?」
「...実はさ、俺もう一つ里菜に謝らないといけないことがあるんだ」
「えっ?
な....なに?」
この時の胸騒ぎが嘘でありますようにー……
心の中で精一杯祈った