雷鳴、二人寄り添って~終幕の雷後編



受け取り−−−−






時計の針はカチカチと過ぎていく。


やがて午後四時を回った。


プルプルプル。



電話が鳴る。


眠たい目を擦りながら受話器を取る。




「前田ですけど」


「そちらに前田昇一ってバカ居ますか?」


「いえ、家にはそういう名前の天才は居ますが、バカは居ません。
人違いです」




寝ぼけている昇一はそうして電話を切ってしまった。


再び電話が鳴る。


「前田ですけど」


「そのバカはあんただよ昇一!
いつになったら免許証受け取りに来るんだい」
< 19 / 22 >

この作品をシェア

pagetop