白黒プリンスと囚われのメイドさま
彼女が俺たちに水とお絞りを持って戻って来た。
「バイトは忙しい?パンダ」
「うん…まあ~」
パンダと聞けば俺の体は無意識に反応する。
「……」
確かに亜子よりも…可愛い…。
ビンボーでなければ…相手してやってもいいのに…。
「お絞りです…ど~ぞ」
彼女が笑顔で俺に渡す。
「ありがとう…」
彼女の繕う笑顔は単なる営業スマイルだけど…俺は一瞬、ドキリとした。
「ごゆっくりど~ぞ!」
彼女は踵を返して、厨房に戻る。
「パンダ…ここの店では人気あるらしいわ~。パンダを目当てに来る…オトコも多いとか…」
「……ふうん~」
俺は興味ない振りして…亜子の言葉に相槌。
パンダと名前がつくあらゆる物を俺はコレクションしていた。
あいつもパンダ…。
「…蓮さま…彼女も…コレクションに加えますか?」
隣に座る咲弥がタイミングよく囁く。