白黒プリンスと囚われのメイドさま

 当の美紗緒は母を亡くして、ゲンキを失くしていた。


 笑う笑顔もぎこちがない。


 箱舟は…まるで昔のように…モノトーンの世界に戻っていた。


 「神…」


 俺は厨房に居た…神を尋ねる。

 「どうした?蓮」


 「お前に話がある」

 咲弥も美紗緒も居た。

 「神…借りてゆくぞ~」


 二人に許可を取り、俺は神を自分の部屋に引き込む。


 「話って何だ?蓮」


 「…その…何だ…」


 「!?話がないんなら俺は厨房に戻る…」


 俺に背を向けようとした神の腕を掴んだ。
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