白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「……」

 私は慌てて、体を起こした。

 「…声かけても全然、起きないし…死んだかと思った」

 そんなわけないじゃん…。


 「でも…俺さまのキスで一発だったな~。感じたのか?美紗緒」

 「あのねえ~」

 蓮さまは珍しく、黒縁のメガネをかけていた。

 「どうしてメガネを…?」

「コンタクト付けたままで寝ちまったから…朝起きたら痛くて痛くて,仕方なく
今日はメガネ…」

 「……」


 おまけに…半裸…。

 男性の裸に全く免疫のない私は…視線に困る。

 「服…着て下さい…」

「あ…さっき…シャワー浴びていたから…暑いんだ…どうせ~お前しか居ないし…いい
じゃん」

 「……私はオンナだし…困ります」


 「何が困る?言ってみろ?美紗緒」


 私が恥かしそうにしているの分かってるクセに変な質問をする意地悪な蓮さま。


 命令口調で言われるよりも…何だか悪質で…陰湿。

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