白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「シャンゼリゼ」はランチタイムとあって…満席に近い。


 彼女とは別のウェイトレスに案内され、駐車場が見える窓際の席に咲弥と座る。


 「昨日より…人が多いなあ~咲弥」

 「そうですね」

 咲弥はメニュー表に目を通す。

 俺は小さなキッズのメニュー表に手を伸ばした。


 新商品「パンダランチ」!!!

 「ご注文はお決まりですか?」

 彼女とはまた別のウェイトレスがオーダーを伺う。

 「焼き鯖定食のBタイプとパンダランチ」

 「え、あ…焼き鯖定食Bと一つと…」

 ウェイトレスは考え込み…語尾を濁す。大人は食べちゃいけないのか??


 背中に汗がジワリと吹き出て来る。


 こんなに極度に緊張したのは生まれて初めて…。
 

 「パンダランチ…お一つですね…畏まりました」

 

 咲弥はメニュー表をウェイトレスに返す。

 俺たちからウェイトレスは離れ、厨房に戻ってゆく。

 「まあ~予想はしておりましたが…オーダーは出来ましたね…蓮さま」

 咲弥は一息つき、水を飲んだ。


 俺も極度の緊張感で喉はカラカラ…水を一気に飲み干す。


 

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