白黒プリンスと囚われのメイドさま

 私は理人さんとともにバルコニーに出る。

 「何か…飲み物でもお持ち致します」

 「はい」

 理人さんは部屋に戻っていく。

 私一人でバルコニーに佇む。

 目の前の木々が夜風で揺れていた。

 半月は優しい光をバルコニーに注ぐ。



 ドレスと一緒でやはり窮屈な世界だ…。


 私…やっていけるのかな?

 私は少し…不安だった…。


 「君は…確か…!!?」

 理人さんのお父さま…充さまだった。

 ひどく酔っ払った様子でバルコニー出て来て、私に絡む。

 「大丈夫ですか?」

 「赤ちゃん居るんだってぇ~?」

 


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