白黒プリンスと囚われのメイドさま
Act14 片思い ~理人side~
俺の父親は如月家の次男として、俺は長男として生を受けた。
ある時、父は蒼い瞳の少年を邸宅に連れて帰ってきた。
父の愛人の子供だった。
3歳違いの兄が突然、俺には出来た。
名前は神。
神は明るくて、調子のいいヤツ。
おれと共に本家の徹さまと蓮さまのお目付け役となった。
子供の俺たちは本家も分家もかんけーなく、無邪気に遊んでいた。
しかし…大人たちは違った。
とくに…先代の当主であるおじいさまは…。
徹さまは次期当主だから…敬うようにと教育された。
しかし、同じ顔しているのに蓮さまにはおじいさまは見向きもしなかった。
存在自体が…否定されているのかのようだった。
だから…蓮さまは悪戯を繰り返し…みんなの目を自分に惹いた。