白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「如月先輩…」

 川本は泣き始めた。

 「川本…」

 「おい…取り込み中悪いけど…」

 神が俺たちの居る応接室に入って来た。

 「親父…2階の寝室に寝かせてるぞ~理人」

 「あ、ありがとう」

 酔った父上の介抱を神に俺は押し付けているのをすっかり忘れていた。

 「……オンナを泣かせるなんて罪なヤツだな…理人」

 「……」

 神は大きな誤解をしていた。

 「違うぞ!!神」

 俺は向きに言い返す。

 俺じゃなく蓮さまだと言いたいが…言えない。

 神は踵を返す。

 「神…彼女を自宅まで送ってくれないか?」

 俺の言葉で神が振り返った。
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