白黒プリンスと囚われのメイドさま
Act15 闇の向こうの真実~神side~
俺はこの屋敷には戻りたくなかった。
この邸宅は俺にとって針の寧ろ。
でも…蓮や理人には会いたかった。
この俺に尋ね人がやって来た。
警察だ。
言っておくが俺は何も悪いことはしてない…。
「10年前の…徹お坊ちゃまの溺死事件で…聞きたいことがあって…君が当時…
最初の発見者だよね」
「そうだ…でも…10年前のことなんて俺は憶えてない…その当時の調書を
見れば、分かるだろ?」
「……それはそうだけど…その後…ウチの刑事が同じ湖で溺死している…事故だって処理されたようだけど…不審な点が出てきてね~」
そんなことは知らない…。
俺はともかく…徹のことは忘れたかった…。
「また…来るよ…何か思い出したら…此処に電話して」
刑事の一人が俺に紙切れを渡す。
ケータイ番号と名前が書かれていた。