白黒プリンスと囚われのメイドさま

 俺は玄関まで、刑事さんたちを見送る。

 そして、厨房に戻った。

 「おいおい…咲弥…無理するなよ~」

 咲弥は左手一本で調理をしていた。

 「警察が来るなんて…神…何をしたんですか?」


 咲弥お前まで俺を疑うのか??


 「何もしてない…」



 「……じゃあ~どうして?来たんですか?警察」


「10年前の徹の溺死事件でさ…事故だって処理されたことを…また事件にして
捜査しているらしい」

 「へぇ~っ」


 「…俺は…徹の死体を発見した第一発見者なんだ」

 「……」

 「……」

 俺は……ウソを付いていた。


 俺自身がいちばん知っている…徹が事故じゃなく…殺されたと……。


 
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