白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「まさか…まだまだ…俺は強いぞ!」


 俺は持っていたグラスの中のワインをイッキ飲み。


 「……警察が動くのは当然だ…あれは事故じゃない…徹は…」


 俺は真実を口にするのを躊躇い、語尾を濁す。



 「殺されたんだろ?」

 咲弥の性急な声が迷う俺の心に深く入り込んで来る。
  

 「……」

 咲弥の表情はいつになく怖い…。



 「……そうでないと…今更…警察が動かない…。神は見たんだろ…犯人を?」


 「咲弥!!?」

 咲弥がなぜ??そこまで殺人だと断定するのか分からないが…何か…真実を
知らなければいけない理由があるようだ。



 でも…真実を話すことは出来ない!



 俺はソファーを立ち、咲弥から逃げようと後ずさり…。



 「お前…どうしたんだ?お前の方こそ…酔ったのか?」



 「酔ってなんかないさ…」



 後ずさる俺に咲弥もソファーを立って、詰め寄る。

 
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