白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「既に…手は打ってあります……蓮さまに全く非はありません
が…あなたさまも如月家の人間…。私の憎むべき…相手です」


 咲弥は冷たく俺の手を振り払う。



 「ひとつ忠告です。蓮さまと美紗緒さまは結婚出来ません…。なぜなら…蓮さ
まが如月家の後継者になられる方…あなた方は「ロミオとジュリエット」なんですよ」


 咲弥は瞳に謎めいた光を浮かべ、口角を上げて、皮肉な笑い。



 咲弥の豹変した態度に俺は…戸惑うしかない。


 「それに蓮さまはホントに美紗緒さまを愛していますか?」


 「……」


 「他の女とたいして変わらないのではありませんか?」



 「俺は??」
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