白黒プリンスと囚われのメイドさま
俺は……咲弥に何も言い返せない…。
俺は…亜子を傷つけた…。
理人に責められ、初めて自分の愚かさに気付かされた。
亜子だけじゃない…俺はたくさんの女を傷つけている…。
自分だけ…幸せになろうなんて…虫のいい話なのかもしれない…。
「……」
考え込む俺を尻目に…咲弥はボストンバックのチャックを閉める。
「……蓮さまは…先ほど言った言葉は冗談です。蓮さまが美紗緒さまを真剣に
思われていることは私がいちばん…分かっています。でもあなた方は結ばれない
運命です…。それは変わりありません」