白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「初めまして…蓮さまの新しい執事の瀬能咲弥です」

 端正な顔立ちのイケメン執事。

 「!!!?」

 両手には00動物園のパンダのぬいぐるみを持っていた。

 「そのパンダは!!?」

 俺は父上の入れ知恵だどとっさに気付く。

 「00動物園のパンダです」

 「……誰から聞いた父上だろ?」

 「お気に召しませんか?蓮さま」

 「……いらない」

 俺は咲弥の差し出したパンダのぬいぐるみを振り払った。

 俺のパンダ好きを逆手に取るなんて…。

 「では…裏の焼却炉にでも捨てて置きます」

 「えっ!?」

 咲弥は体を屈ませ、絨毯の上に転がったパンダを拾い上げる。
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