白黒プリンスと囚われのメイドさま
「ダ、ダメだ!!?…それは…」
かっておじいさまに徹の形見として持っていたパンダのぬいぐるみを目の前で焼却炉に投げ込まれた過去を思い出す。
「では受け取って下さい」
咲弥は再び、俺のパンダのぬいぐるみを差し出す。
俺は受け取った。
「私もパンダはスキですよ。あのハッキリとした色合い…曖昧さがなくていいですね」
「……」
咲弥は俺に微笑みかける。
今までの執事やメイドとは違った。
俺のパンダ好きを皆…黙って見過ごしていた。
でも咲弥は違った。
俺のパンダ好きをみずからも共有しようとしてくれた。
俺のどんな我侭も咲弥は嫌な顔せず、従う。
俺が咲弥を受け入れるのにさほど、時間は掛からなかった。