白黒プリンスと囚われのメイドさま
「……」
咲弥は箱舟から出て行った。
翌朝。
俺は神とともに…父上に呼ばれた。
父上とともに…充叔父様がソファーに座り俺たちを待っていた。
いつも俺には高圧的な態度の充叔父様。
今は…ガクリと肩を落とし…俯いていた。
「蓮、神…座れ」
俺たちは父の隣のソファーに座った。
「……咲弥から何か聞いたか?蓮、神」
「聞きました…徹の溺死事件の真相と溺死した刑事さんが咲弥の兄だってことも」
「……そうか」
「!!!?」
「蓮さま…神…申し訳ない!!!」
充叔父様がソファーを立って、絨毯の上に土下座。
俺たちに向かって必死に頭を下げる。
「父上の命令は絶対だった!!勝手なことばかりしていた私には選択肢はなかったんだ…許してくれ!!」
充叔父様は涙を浮かべ…嗚咽を混じらせ、涙と鼻水で顔をグチャグチャにしてに頭を下げ続ける。
いつも身なりを整えてる…充叔父様ではあるが…今は…まるで別人の様相。
白い毛を振り乱し…俺たちに額を絨毯に擦り付けて謝り続けた。