白黒プリンスと囚われのメイドさま

 ソファーを立ち、俺は父上に吐き捨てる。


 俺はあなたが憎くて堪らない!!



 「!!?」

 鈍い音が響く。

 俺の頬を誰かが叩いた。

 

 父上の後ろに控えていた柚木だった。



「蓮さま…旦那さまの家族はあなた一人です。旦那さまが仕事で多忙だったのは
先代の旦那さまに超えたくて必死だったからです!確かに旦那さまは…言葉足らずな
所はございますが…あなたを思う心は…誰よりも有ります」


 「柚木…下がれ」

 「さしでがましいことを致しまして申し訳ございません。
しかし…蓮さまにはどうして
も旦那さまのことを理解して頂きたくて…」

 柚木は深々と頭を下げる。

 
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