白黒プリンスと囚われのメイドさま

 俺は自室で待つ美紗緒の元に戻る。

 「……お帰りなさい…蓮」

 美紗緒もようやく、俺を呼び捨ててくれるようになった。

 「右のほっぺ…少し…赤いですね」

 「柚木に叩かれた」

 「柚木さんに?」

 美紗緒は柚木がそんなことするなんて有り得ない感じに聞き返す。

 「俺が父上に…暴言を吐いたから…叩かれた」

 「また…どうして?」

 「…色々とあったんだ」

 俺は美紗緒に父上と何を話していたかは話さなかった。

 美紗緒も何も聞こうとしなかった。

 「ほっぺた冷やしますか?」

 「いい…」

 俺は美紗緒を抱き締める。

 
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