白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「そんなこと父から一言も聞いたことがありません!!」


「そうですか…でも千尋さまの姓は徳川です。万田はあなた様の母方の姓です
。20年前、あなた様の母は徳川家の専属の看護婦だったそうです。
二人は恋に落ちて
旦那様の猛反対を押し切って、駆け落ち…そして結婚されたそうです」

 「……」


 父と母がそんなドラマチックな大恋愛をしていたなんて初めて、知った。



 「私は初めてから美紗緒さまが徳川家の当主の孫娘だってことはわかっていました。
あなたが蓮さまと出会い…美紗緒さまの身辺を調べた時から…これは私の復讐
につかえると…」



 「!!?咲弥さん!!?」

 「…徳川家と如月家は犬猿の仲です。今…(株)如月は新しい事業を展開しようとしています。その市場には徳川家の会社(株)ブラックベリーも参入しようと計画中です。
ハッキリ言って…如月には手を引いて貰いたい…旦那様はそう考えています」

 

< 211 / 263 >

この作品をシェア

pagetop