白黒プリンスと囚われのメイドさま
「私はそれを復讐に利用しようと考えています。私の兄の敵として。10年前に
起きた徹さまと兄の溺死事件は事故ではなく事件で…当主の弟である充さまがすべて
殺したと…その真相を世間に公表し…如月家を失墜させるつもりです」
「……」
「でも…裏で警察に手を回すことが出来る…如月家。私だけでは…そうカンタンに警察が動いてくれません。だから…美紗緒さまのことを徳川家にお話をしました。
今の旦那様が望むのはあなたと如月家の新規事業への撤退…私は…如月の失墜」
咲弥さんは満足そうに口角を上げて、含み笑いを浮かべる。底知れない…怖さ
を感じる。
「でも…私は!!!?」
「蓮さまとはもちろん、婚約解消ですよ」
「……」
「私は旦那様の命令であなたを迎えに来ました…」
咲弥さんはソファーから腰を上げて、私に手を差し延べる。
「蓮さまは…女を自分の欲望にに満たす道具にしか考えていない…。
そんな男と
一緒になって幸せになれるはずがない!」