白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「おい!!」

 俺は二人の元に姿を現す。

 「…お前…何度もフラれてんだろ?いい加減諦めろ!!」

 男の名前は工藤洋平…2年生らしい。

 親は不動産会社社長。

 「如月蓮…」

 「……いいから散れ!」

 俺は工藤を睨んで、一喝。

 「……」

 悔しそうに唇を噛み…立ち去る。

 「……お前ももっとハッキリ言え」

 「…ありがとう…如月君」

 「…亜子と同じでお前も…如月君か?蓮でいい…」

 「…よくないよ~」

 「……」

 久しぶりに二人で交わす会話。

 少しだけ…目を合わせる。


 キス…したい。

 俺は美紗緒の唇を見てそんな衝動にかられる。

 
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