白黒プリンスと囚われのメイドさま

 私は行ったことのない…高級ブランドの服飾店に連れ込まれる。


 香水の香りをプンプンさせて、メイクも濃く、睫毛は剛毛の店員さん。


 スキじゃないヒラヒラのスカートに肌に纏わりつく素材のブラウス。


 その上にヒールの高い…靴。


 「…中身はビンボーでも高い服を着れば分からないな…」


 如月君は一人で頷きながら私を見つめる。


 「まあ…蓮さまはお人が悪いですが…私が居ますから…安心して下さい…美紗緒さん」


 私の隣に立つ咲弥さんが私の耳元で囁いた。


 「おい!?咲弥…何を話してる?」


 「いいえ~別に…」


 「……おい!一つのコーディネイトでは…足りない…もっと服を持って来い!」

 如月君は店員にまで命令口調。


 「……はい!!ただいま~!!」


 私たち以外誰も居ない店内を忙しく…店員さんたちは駆け回る。


 桁の違う服に私は…目を丸くするしかない。


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