白黒プリンスと囚われのメイドさま

 
 美紗緒さまは義務のように、見合い写真を見つめ…溜息。

 心は全く…連さま一色。

 私は部屋を出て…連さまのケータイに連絡。


 『…お話があります…ガッコに伺ってよろしいですか?』

 『……俺もお前に話がある』

 久しぶりに聞く…連さまの声。

 私たちは会う約束を交わす。



 「美紗緒さま…1時間ばかり出かけて来ます」

 美紗緒さまにそう伝え、部屋を出た。


 如月家には復讐したかったが…連さま個人には…憎しみなんてなかった。


 俺と同じ人間のように思えた。


 兄貴を失くし…あざみさんを失くし…俺は一人になった。

 
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