白黒プリンスと囚われのメイドさま
Act20 麗しのお嬢様と囚われのプリンス ~蓮side~
俺は…邸宅に戻る。
「……」
夜…会社から戻った…父上を尋ねる。
「……咲弥からすべて聞いているぞ…」
「!!?」
早っ!!?
咲弥はマジで俺を徳川家の婿養子にするつもりだ…。
「…お前はそれ程までに…美紗緒さんに惚れているのか?」
惚れる…。
父上にそう聞かれ、自然と頬が染まる。
「…そうか…」
父上は考え込む。
「……互いに駆け落ちだけは避けたい…」
「……」
おいおい!?
咲弥のヤツ…父上に何か変なこと吹き込んだな…。
「……私も…お前に継いで貰いたいが…お前と美紗緒さんの気持ちを考えて…
お前には後継者としての道を諦めて貰う」
「父上…後継者には誰を据えるんだ?」
「…今…私の片腕となってくれている神を据えるつもりだ…充が戻ってきたら…また
考える…如月家ことは気にするな…お前の好きなようにしろ」
「……」