白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「美紗緒さまをお連れしました…」

 咲弥が襖を開けて、美紗緒が入って来た。

 「蓮??」

 俺の姿に美紗緒は酷く驚く。咲弥は俺たちに一礼して、退散。

 「美紗緒…こっちだ」

 徳川氏に手招きされ、美紗緒は徳川氏の隣に座る。

 「…紹介しよう…お前の見合い相手の…如月蓮君だ」

 「…初めまして…美紗緒さん…如月蓮です」

 「…徳川美紗緒です…」

 互いに見つめ合い…挨拶。

 この何とも言えない緊張感が新鮮。

 美紗緒はキレイな西陣織の淡いピンクの晴れ着を着ていた。

 髪をアップにして見える項に俺はドキリとする。

 飲み物、出て来る料理も全く、緊張で喉が通らない。

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