白黒プリンスと囚われのメイドさま

 「……それはそうだが…お前…絶対に俺が「シャンゼリゼ」でパンダランチを食べていたことは亜子には言うな!」

 如月君は私に顔を近づけて…睨みながら念を押す。


 相当…私はヤバイ物…見たようだ。彼の凄みの態度に私はビビる。


 「…はい…」


 「よかった~これで俺の威厳も守られる…」


 如月君は椅子に背中を預け、胸を撫で下ろす。


 「……どうして?パンダランチ…食べていたんですか?」


 それが何より疑問…。睨まれるの覚悟で質問。
 

 「……パンダがスキだからです」


 後ろで控えていた咲弥さんが呟く。


 「さ、さ、咲弥!!?」


 如月君は席を立って、咲弥さんの胸座を掴む。


 「邸宅に来れば…分かることです…今のうちにお話しておいた方がよろしいかと思いまして」

 「……」


 如月君は咲弥さんの言葉に納得して、手を離す。

 「パンダスキなんだ~私はあんまりスキじゃあないけど」
 
 「何だよ!?お前…パンダだろ?」




 「万田です!」

 私は強く如月君に返す。


< 26 / 263 >

この作品をシェア

pagetop