白黒プリンスと囚われのメイドさま
咲弥は俺にステファニーを渡す。
「ステファン!!」
俺はステファニーをギュッと抱き締めた。
「タイミングよく…ゴミ箱に落ちていたようです…。私も…ゴミ箱の蓋が閉まっていたので気付かずにもう少しでゴミとして捨てるとこでした。蓮さま申し訳ございません」
咲弥は丁重に俺に頭を下げる。
しかし…声音には感情が篭ってない。
心から悪いなんて思ってない…。でも…あまり俺は咲弥に強いことは言えなかった。
俺に仕える執事はこいつしか居ない。
俺は今までさんざん…仕えた執事やメイドを扱き使い辞めさせて来た。
咲弥は仕えてもう3年が過ぎていた。俺に仕える執事としては最高記録!
俺はステファニーを見つめる。
耳も手も穴が開いて中の綿が出ていた。また…繕う必要があるな…。