白黒プリンスと囚われのメイドさま
「お車を外に停めております…急ぎましょう。蓮さま」
「ああ」
俺は咲弥に鞄を渡す。
咲弥が扉を開けて、俺が先に外に出る。
俺の身の回りのことはすべてこの咲弥が一人で行っていた。
人に仕え、毎日同じ仕事を咲弥は3年も続けている。
人に仕えることなんて俺は出来ない。
俺は如月家と言うセレブの家の生まれだから…。
俺は後部座席に乗り込む。
運転手はもちろん執事の咲弥。
「……亜子が俺を友達に紹介したいと言っていた」
「最近…お付き合いなされている…あの川本代議士のお嬢さまですね」
「そうだ」
車はゆっくり走り出す。