白黒プリンスと囚われのメイドさま

 いつもの景色が俺の瞳に流れる。


 「……場所はファミレスらしい~」


 「ファミレス??」


 咲弥の声が珍しく、裏返る。


 如月の御曹子である俺が行くべき場所ではないから。


 「名前は「シャンゼリゼ」…そこで亜子の友達がバイトをしているそうだ」



 「そうですか…しかし珍しいこともありますね~蓮さまがファミレスなんて…
そんな陳腐な場所に進んで行かれるなんて…本気で亜子さまに…」

 「別に…」


 亜子はたくさん居る中のただのセフレ。


 俺には別に目的があった。


 「シャンゼリゼ」のキッズメニューにあるパンダランチを生で見たかった。







 「私も蓮さまの護衛として付き添わせて頂きます」





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