白黒プリンスと囚われのメイドさま
「ステファン!!!?」
ノックなしに蓮さまが入って来た。
髪も息を乱し、スゴイ様相で私に近づく。
「ステファン!!!」
私からステファンを奪い…ギュッと抱き締める。
「ステファン!!お前が居なくて心配したぞ!!」
「……」
恋人でも抱くかのような…情熱的な瞳でステファンを見つめる蓮さま。
「……」
私は呆れるしかない…。
「あのう…まだ…腕の綻び直していないんですけど…」
「ん、あ…」
蓮さまは私にステファンを返した。
そして、私の隣に座る。
私は蓮さまに見られながら…腕の綻びを直す。
「お前…器用だな」
「裁縫は得意ですから…」
「ふうん~」
蓮さまは私を感心したように見つめた。