白黒プリンスと囚われのメイドさま
校門で咲弥が車を止めて待っていた。
「お帰りなさいませ…蓮さま亜子さま」
「こんにちわ~咲弥さん」
亜子は馴れ馴れしく咲弥に挨拶。
「こんにちわ…」
咲弥はワザと可愛い声で挨拶する亜子を無表情でかわす。
どんな相手にもヤツは動じない。
鉄壁の態度を誇っていた。
俺たち二人を後部座席に乗せて…咲弥は「シャンゼリゼ」に向かう。
「場所は何処か私言ってないのに大丈夫?」
「ガッコから近いと聞きましたので安心して下さい亜子さま」
二人の会話をよそに俺はパンダランチのことを考える。
パンダ、パンダ、パンダ…。
俺は呪文のように心の中で呟く。