白黒プリンスと囚われのメイドさま
「俺は…この通り…蒼い目で…随分と…如月家では嫌な思いをした」
「神さん!?」
「でも…俺には味方が居た…徹と蓮だ…先代の旦那さまは怖い人だったけど…
今の旦那さまは俺に優しかった…実の父親以上に…」
「……」
神さんは雲一つない蒼い空を仰ぐ。
私も空を見上げた。
しばし、二人で空を見つめる。
ふと…神さんの横顔を見た…。
空と同じ神さんの瞳が…寂しげに物憂いだった。
神さんも私と同じで…空とは違って…心は晴れてなかったみたい…。
「そろそろ…帰ろうか?美紗緒ちゃん」
「あ…はい…」
神さんとともに、屋上を後にした。