白黒プリンスと囚われのメイドさま
俺はいつの間にかソファーで昼寝。
アイスコーヒーも半分飲み残し、レモンパイには手をつけなかった。
「!?」
俺は目を覚まして、体を起こす。
「ただいま…戻りました…蓮さま」
神が何も言わず入って来た。
「あいつは?」
「美紗緒ちゃん?あ~厨房だ」
「そうか…」
「美味そう~」
神は俺の前のソファーを座り、何の言葉もなく、レモンパイを手掴みで一口。
「……あいつのお母さんって癌だったな…」
「余命…半年だろ?」
神は氷が全部溶けて、すっかり味の薄まったアイスコーヒーを飲む。