夜空に咲く僕たちの願い
「覚えてるよ。俊介くんだよね?で、そっちが渓斗くん。ビックリしたよ、目の前に三人がいたからさ。まだ仲良かったんだね。思わず声掛けちゃった」
「俺たちもビックリです!まさかこんな偶然あるなんて!」
ちょっと渓斗も何か言ってよ。さっきから冷や汗の量が半端ないんですけど…
瑠花は黙ったままだった。
手を解放したら何言うか分からないからしばらくこのままにしておこう。
「そろそろ教室行かないと!じゃあ雅也くん、またね」
俺は手をあげてその場を一刻も早く逃げようとした。
昔のこととはいえ、瑠花を一度でも好きだった人とはこれ以上いたくない。
きっと今の瑠花を見て昔の感情が蘇ってくるかもしれないし。
そんなのご免だ。
「あのさ!!」
立ち去ろうとする俺たちに、雅也くんはこう言った。
聞きたくもない言葉だった。
「また…瑠花ちゃんのこと好きになってもいい?」