夜空に咲く僕たちの願い


な…何を言い出すんだよ。
大声で言うものだから周りの人が驚いてるだろ。


恐れていたことがまさか本当に起こってしまうなんて。

失望。
頭の中にこの言葉が浮かんだ。



俺は何も言わずに瑠花の腕を引っ張る。
瑠花はなんて思ったのだろうと思い、ちらっと瑠花を見ると顔が真っ赤になっていた。
今朝の電車の中の俺にそっくりな色に染めて。

リンゴのような真っ赤な頬をした瑠花を食べてしまいたいと思った。
きっと甘いんだろうな。




「…瑠花?」



腕を揺すると瑠花はハッと現実の世界に戻ってきた。



まさか…瑠花…違うよね?





「ビックリしたぁ…いきなりあんなこと言うんだもん。驚くよね…」




小さな笑みを見せた瑠花に疑問を抱いた。





ねぇ…瑠花。




まさか雅也くんのこと好きになったりしてないよね?




そんな冗談やめてよ。



頬を真っ赤にしないでよ。
瑠花の頭の中が雅也くんでいっぱいなら俺は塗り替えてあげるから。

俺の色にしてあげるから。




だから雅也くんを好きにはならないで―…







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